【塾長コラム】コロナ禍に思う/神サマ、どうかこの子たちに幸いを! 太平洋戦争の中の少年像 核弾頭ミサイル/中華人民共和国 今、わたしたちの社会が直面している『コロナウイルスの蔓延』、改めて、我々ニンゲンの存在は、大自然の脅威の中にあるのだなあと思い知らされました。 大地震、津波、台風、火山の噴火に隕石落下など、わたしたちはこれまでも様々な自然災害に見舞われ、そのたびに時には数千、数万の命が失われてきたのでしょう。それが人類の歴史というものです。 今回やっかいなのは、脅威がウイルスという目に見えない敵であること。そして、グローバルな社会交流が当たり前の現代にあって、例えば本来は一地域の風土病であるようなものがあっというまに世界に広がるという恐ろしさ。 山奥や砂漠の片隅にいる人たちがiPhoneをもっている時代。世界中の人々が活発に往き交う現代にあって、ジャングルの奥に眠っていた未知のウイルスがいやおうなく世界中の都市にもたらされる。今回も、中国が世界第二位の経済大国で資本やモノの流れの中核地域でなかったなら、新型コロナウイルスは“武漢の一風土病”で終わっていたのかもしれません。 5月中旬、すでに、世界中のコロナ感染者は450万人、死者も30万人を超えています(NHK調べ)。 私は今年64歳。生まれてこのかた大きな戦争にも巡り会わず、関東に住んでいて東日本大震災の被害も微々たるものでした。たぶん、ただの偶然にすぎないのでしょうが、極めてつつがない日々にめぐまれた幸福な六十年間でした。 ただ、通塾する子どもたちの人生にとっては、この新型コロナ禍、今後いったいどんなに大きな影を落としていくのか、震える気持ちでいます。 * 近代文明の中にいる私たちですから、おそらく、まもなくワクチンの開発にいたるのでしょうか? けれども、その後の世界はどのように動いていくのでしょうか? 中学生たちの歴史の教科書には、100年前の世界について、つぎのように語られています。●1919年に終結した第一次世界大戦後、世界を席巻していた大英帝国はその地位を新鋭アメリカに譲りわたしました。そして、国際連盟を作り各国が世界平和をうったえている中に当のアメリカの経済破綻(バブル崩壊)、つまり世界恐慌がおこりました。 その後、世界はどう動いたか? 西洋型の文明国をめざした東洋の新興国日本や、第一次世界大戦後に強く抑圧されたドイツのナチス党の暴発。 ──そして、民間人も含めて世界で5000万人の戦死者をだした第二次世界大戦の勃発。 なぜ、そんな話題を? と不思議に思われる方もいるかもしれません。 100年前のあの頃に“今”を重ねてみると、このコロナ禍のあとに世界がどう動いていくか、私は少なからず不安を感じているからです。 コロナですっかり忘れてしまっているかもしれませんが、今、国際社会では世界の覇権をにぎり続けていた大アメリカがいよいよ凋落の一途をたどり、東洋の雄、中華人民共和国との覇権をめぐるせめぎ合いは、いよいよのっぴきならないところまで熱くなっています。(平和憲法におぼれている国民がどんなに強く平穏を望んだとしても、国際社会は所詮経済力と軍事バランスの薄氷の上。紳士づらをしている国が突如ならず者の正体を現すことがあるかも……) その中で、さまざまなメディアが、このコロナ禍による急激な経済停滞は、リーマンショックどころか『世界恐慌なみ』の波乱を予測しています。 世界恐慌の混乱のあとで、世界は、あのとき結局どう動いたか? その歴史に“今”を重ねると、結局は大打撃をうけた各国はどの国もやむにやまれず自国主義(なんとかファーストとかいって自分の国さえよければよしというワガママ主義)に陥り、国際協調などあっというまにふっとぶ、なんてことにならないだろうか? ──わが国も。 ついこの間まで日本の財政は大借金にまみれていてそれを何とかすべく消費税まで上げたのではなかったか? コロナ禍の中で国民を救うべく一人に10万円ずつ給付するのはやむをえないとして、さて、さらにふくらむはずのクニの借金は、その後、どう解決をはかるのだろうか? オリンピックを開催するというから世界にほこる一流国なのかと思っていたら、実はマスク一枚が手に入らない三流国だったし……。 われらが期待する優秀なはずの官僚、それに政治家らも、この危機の中で想像以上に力不足の感もぬぐえない。さて……。 杞憂であれば良し、ですが……。 ただ今、当塾はネット授業をしており、私たち教務スタッフは、モニターに映る一人ひとりの元気な子どもたちの顔を見ながらの授業になっています。 この子たちの表情が、これ以上の危機にどうかゆがまずに済むよう、心から祈るばかりです。勉強クラブ塾長深 谷 仁 一/日本脚本家連盟員 トップページに戻る
今、わたしたちの社会が直面している『コロナウイルスの蔓延』、改めて、我々ニンゲンの存在は、大自然の脅威の中にあるのだなあと思い知らされました。
大地震、津波、台風、火山の噴火に隕石落下など、わたしたちはこれまでも様々な自然災害に見舞われ、そのたびに時には数千、数万の命が失われてきたのでしょう。それが人類の歴史というものです。
今回やっかいなのは、脅威がウイルスという目に見えない敵であること。そして、グローバルな社会交流が当たり前の現代にあって、例えば本来は一地域の風土病であるようなものがあっというまに世界に広がるという恐ろしさ。
山奥や砂漠の片隅にいる人たちがiPhoneをもっている時代。世界中の人々が活発に往き交う現代にあって、ジャングルの奥に眠っていた未知のウイルスがいやおうなく世界中の都市にもたらされる。今回も、中国が世界第二位の経済大国で資本やモノの流れの中核地域でなかったなら、新型コロナウイルスは“武漢の一風土病”で終わっていたのかもしれません。
5月中旬、すでに、世界中のコロナ感染者は450万人、死者も30万人を超えています(NHK調べ)。
私は今年64歳。生まれてこのかた大きな戦争にも巡り会わず、関東に住んでいて東日本大震災の被害も微々たるものでした。たぶん、ただの偶然にすぎないのでしょうが、極めてつつがない日々にめぐまれた幸福な六十年間でした。
ただ、通塾する子どもたちの人生にとっては、この新型コロナ禍、今後いったいどんなに大きな影を落としていくのか、震える気持ちでいます。
*
近代文明の中にいる私たちですから、おそらく、まもなくワクチンの開発にいたるのでしょうか?
けれども、その後の世界はどのように動いていくのでしょうか?
中学生たちの歴史の教科書には、100年前の世界について、つぎのように語られています。
●1919年に終結した第一次世界大戦後、世界を席巻していた大英帝国はその地位を新鋭アメリカに譲りわたしました。そして、国際連盟を作り各国が世界平和をうったえている中に当のアメリカの経済破綻(バブル崩壊)、つまり世界恐慌がおこりました。
その後、世界はどう動いたか? 西洋型の文明国をめざした東洋の新興国日本や、第一次世界大戦後に強く抑圧されたドイツのナチス党の暴発。
──そして、民間人も含めて世界で5000万人の戦死者をだした第二次世界大戦の勃発。
なぜ、そんな話題を? と不思議に思われる方もいるかもしれません。
100年前のあの頃に“今”を重ねてみると、このコロナ禍のあとに世界がどう動いていくか、私は少なからず不安を感じているからです。
コロナですっかり忘れてしまっているかもしれませんが、今、国際社会では世界の覇権をにぎり続けていた大アメリカがいよいよ凋落の一途をたどり、東洋の雄、中華人民共和国との覇権をめぐるせめぎ合いは、いよいよのっぴきならないところまで熱くなっています。(平和憲法におぼれている国民がどんなに強く平穏を望んだとしても、国際社会は所詮経済力と軍事バランスの薄氷の上。紳士づらをしている国が突如ならず者の正体を現すことがあるかも……)
その中で、さまざまなメディアが、このコロナ禍による急激な経済停滞は、リーマンショックどころか『世界恐慌なみ』の波乱を予測しています。
世界恐慌の混乱のあとで、世界は、あのとき結局どう動いたか?
その歴史に“今”を重ねると、結局は大打撃をうけた各国はどの国もやむにやまれず自国主義(なんとかファーストとかいって自分の国さえよければよしというワガママ主義)に陥り、国際協調などあっというまにふっとぶ、なんてことにならないだろうか?
──わが国も。
ついこの間まで日本の財政は大借金にまみれていてそれを何とかすべく消費税まで上げたのではなかったか? コロナ禍の中で国民を救うべく一人に10万円ずつ給付するのはやむをえないとして、さて、さらにふくらむはずのクニの借金は、その後、どう解決をはかるのだろうか?
オリンピックを開催するというから世界にほこる一流国なのかと思っていたら、実はマスク一枚が手に入らない三流国だったし……。
われらが期待する優秀なはずの官僚、それに政治家らも、この危機の中で想像以上に力不足の感もぬぐえない。さて……。
杞憂であれば良し、ですが……。
ただ今、当塾はネット授業をしており、私たち教務スタッフは、モニターに映る一人ひとりの元気な子どもたちの顔を見ながらの授業になっています。
この子たちの表情が、これ以上の危機にどうかゆがまずに済むよう、心から祈るばかりです。
勉強クラブ塾長
深 谷 仁 一/日本脚本家連盟員